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いざ就職

ワーホリでの1年はパリのお菓子屋で働く、そう決心し就活を再開。
12ヶ月しかない中で就活に時間をかけられないといよいよ焦っていました。

当時フランス生活ではmixiというサイトが欠かせませんでした。
今で言うFacebookやinstagram。日本人コミュニティーがそこにはあり求人情報なども上がっていました。

そこでルーブル美術館の近くにあるレストランでパティシエの求人募集があると
そこに勤めている日本人の料理人から投稿が。

この辺りからフランス人と働きたいという壁に妥協が生じてくる。
初めは日本人がいないところでと思っていたもののそんなお店が私を雇ってくれるわけもなく結局日本人が帰国するために空いた穴を探し始める(笑)

そこでルーブル美術館の近くのレストランでパティシエ急募を発見。
コンタクトを取るととりあえず研修で1日働いてほしいとのこと。

数日後に尋ねるとそこはとても小さなお店でフランス人のオーナーシェフと30代くらいの寡黙な日本人女性が二人だけで料理を作っているのだとか。

そして今回募集が出たのはもう一人いた日本人パティシエのポジション。
とりあえず彼女と仕事を今日1日してみてとシェフに言われる。

着替えが済むと私は厨房

ではなく屋根裏部屋に連れて行かれる。

シンクもガス台もなく、あるのは小さなストッカーと作業台のみ。
明らかに何かを作れるスペースではないんだけど、彼女はここでお菓子を作っているらしい。

借り暮らしのアリエッティ.....

宮崎駿の世界が広がっていた(˙-˙)

ここには水道がないのでこのバケツに下から水を汲んできます
と、おっとりした同い歳くらいの彼女に言われ下に降りる。

気を抜けば転げ落ちてしまいそうな階段を降り、まずは水確保。
蛇口をひねれば水が出てくるありがたさを改めて知る。

再び屋根裏に戻るとランチの準備をしていきます。
まずはカスタードを炊かなきゃいけないのでお願いしてもいいですか?と。

かなり久々、そして何リットルと言う単位で仕込むのは初めてに近い。
それなのに隣でグツグツとソースやら野菜を煮ているシェフの、
そのコンロを借りて炊くと言うのだから、
もう何このプレッシャー。

計量や途中まで仕込みを終わらせコンロを借りに。

狭いし、コンロが高い位置にある上に
もっと火力上げてとか勝手に触られて横からとにかく口出してくる。
もうやりづらすぎてほっといてくれと言いそうになる。

危ない。

なんとかカスタードを炊いてその後も彼女と準備を進め
無事ランチの用意完了。下から賄い食べるよ〜と呼ばれる。

いつもは私一人で終わらないので、あかりさんがいて助かりました(^^)
と笑顔で言われる。

もっと大きい声で!
シェフに聞こえる声でイッテ

この研修で何が1番辛かったかって

賄いが二人前くらいあったこと
そしてみんな運動部並みに食べるのが早い。

ランチ営業の様子なんてちっとも覚えていないくらい。

そして見事落ちる。
君一人でデセールを作るのは難しいと思う

私もそう思う。
私は自分の実力を発揮出来る段階ではない。
誰かの下で経験を積まなければいけないんだと
分かっているのに悔しくて焦りもありとにかく泣いた。

泣いた後は這い上がるのみ。
さっ次行こ~と
切り替えの速さは親譲り!

次の面接に続く